40歳からテニスを始め、今年で3年目になります。 テニスというスポーツの奥深さに魅了される一方で、思い通りにボールをコントロールできないもどかしさに、幾度となく壁にぶつかってきました。
「ラケットを変えれば、もっと上手く打てるのではないか」
そんな下手の横好きが高じて、これまで50種類以上のラケットを試打してきました。しかし、数々の道具に触れていく中で、パフォーマンスを向上させるために本当に重要な『優先順位』が見えてきたのです。
結論から言うと、その優先順位は以下の通りです。
グリップ変更 > ストリングパターン > ラケットフレーム > インチ > ガット > テンション
今回は、私の数々の失敗談も交えながら、それぞれの要素がどう影響するのかをお話ししたいと思います。
影響度No.1&No.2:劇的な変化を生む『グリップ』と『ストリングパターン』
私が最も衝撃を受けたのは、影響度No.1の『グリップスタイル』です。
以前の私は、試合になると力みからかアウトを連発していました。ボールに推進力はあるものの、スピンが弱く、コートに収まらないのです。入れることだけを意識すると、今度は弱々しいチャンスボールになってしまう。ラケットを変えても結果は同じで、「これは自分のスキルが100%悪いんだ」と落ち込みました。
そんな時、コーチから「グリップを変えてみたら?」とアドバイスを受けました。 実は私、テニス歴3年目にして初めて、自分が『イースタングリップ』で握っていたことに気がついたのです。
試しに『セミウェスタン』に変えてみたところ、世界が変わりました。 同じスイングでも勝手にスピンがかかり、ショートラリーも非常に楽になったのです。今までふかしていたアプローチショットも、しっかり振り切ってコートに収まるようになりました。
しかし、良いことばかりではありませんでした。 慣れないグリップのせいで打ち損じが多発し、カス当たりが増えて全くボールにパワーが乗らなくなったのです。これも一つの大きな失敗体験ですが、「ラケットを変える以上に、グリップ一つでここまで球質が変わるのか」と身をもって知る貴重な経験になりました。
続く影響度No.2は『ストリングパターン』です。
個人的に、このストリングパターンによるプレーの質の向上は過小評価されていると思います。
今年になって初めて、18×20や18×19といった目の細かいラケットを使ってみました。驚いたのは、その圧倒的な面ブレの少なさです。 16×19のラケットを重くして安定させようとするよりも、18×20を使えば一発でリターンが安定します。格上の方とのラリーでも、ボールに負けずに弾き返せる安心感がありました。
もちろん代償として、スピンや高さ、パワーは出しづらくなります。 しかし、私のようにイースタングリップ寄りで、アウトの暴発が多いタイプのプレイヤーにとっては、余計な飛びを制御してくれるありがたい存在になります。逆にフルウェスタンのような方には、パワー不足に感じるかもしれません。
面が細かいとスピンがかからない、、、という先入観が先行して選ばれにくいストリングパターンのラケットだとは思いますが、実際使ってみて思ったのは、全然スピンがかからないとか、サーブでスライスやスピンが打てないとかではないと思いました。16*19に比べたらかかりにくいのは確かかもしれませんが。。。
18*19だったらメドベージェフ選手、ジョコビッチ選手も使っていますよね。もう少し身近なところでは小倉選手も18*19の305を使っているかと思われます。
影響度No.3&No.4:本当に自分に合う『フレーム』と『インチ』の探し方
影響度No.3は『ラケットフレーム』です。 世の中にはパワー型、スピン型、コントロール型などがありますが、大まかに言えば「フレームが硬くて飛ばしやすいか、柔らかくて包み込むか」の違いだと感じています。
ただ、フレーム選びは本当に難しいです。 私の失敗談をお話しすると、かつて『T-fight 300S』を試した時のことです。練習のラリーではレーザービームのような素晴らしいボールが打てて、「これだ!」と確信しました。しかし、いざ試合形式になると、力みや振り遅れからアウトを連発してしまい、全く使いこなせませんでした。
練習で気持ちよく打てるラケットが、緊張感のある本番でも活躍できるとは限りません。だからこそ、ラケットは実戦でテストしてみないと本当の相性はわからないのです。
加えてラケット選びを難しくしていることに、フレームの硬さからくる肘や手首への影響があります。私のような初心者からちょっと抜け出したぐらいのテニスプレイヤーだけでなく、上級レベルでさえも怪我は多発しています。もちろん、初心者と上級レベルでは怪我する理由は違うかもしれませんが、ラケットの硬さや振動による影響から来ている人は多いです。特に人気のピュアドラ、ピュアアエロで肘を痛める方はリアルでもネットでも散見されます。
影響度No.4の『インチ(面の大きさ)』に関しては、フレーム特性ほどの決定的な差はないと考えています。 もちろん、98インチは弾道が抑えられてソリッドな打感があり、100インチはパワーがあってボレーが楽になるという基本はあります。しかし、最近のラケットは「98なのに100のように飛ぶ」「100なのに98のような打感」といったシリーズごとの味付けが濃いため、インチ数だけで判断するのは少し危険かもしれません。
影響度No.5&No.6:意外と差が出ない?『ガット』と『テンション』の真実
最後に『ガット(ストリング)』と『テンション』です。 これらはもちろん大切ですが、フレームやグリップの変更に比べれば、影響度は微調整の範囲に留まると感じています。
特にテンションについては、ブラインドテストをすると、10ポンド程度の違いでは気づかない人も多いそうです。「テンションを2〜3ポンド変えて悩むくらいなら、その時間を練習に当てて腕を磨いた方が早い」というのが、私の個人的な見解です。
ラケットとグリップが確定し、「もうこれでいく!」と覚悟を決めた後の、最後の味付け程度に考えるのが精神的にも楽だと思います。
まとめ:5つの解決ステップ
もし今、テニスで壁にぶつかっていて、少しでも現状を打破したいと思ったら、以下の5つのステップを検討してみるのがいいかもしれません。
- グリップを見直す:現在抱えている問題の大半は、グリップを一つ隣に変えるだけで解決するかもしれません。
- ストリングパターンを変えてみる:飛びすぎるなら18×20など、目の細かいものを試して、自分のスイングとの相性を確認する。
- 同じシリーズでインチを変えてみる:一からフレームを探すのは大変なので、今使っているラケットの別インチを試す。
- ガットはこだわりのある人向け:「絶対にこの打感じゃなきゃ嫌だ」という場合以外は、優先度を少し下げる。
- テンションは大胆に変える:テンションが原因か確かめたいなら、思い切って20ポンドくらい変えてみないと違いは分かりません。
道具選びはテニスの醍醐味でもありますが、時には自分の技術や物理的な接点(グリップ)を見直すことで、あっさりと道が開けることもあります。 皆さんのテニスライフが、少しでも楽しく、そして快適になるヒントになれば嬉しいです。
