40歳でラケットを握り、気がつけばテニス歴もあと半年で丸3年になろうとしています。
この年齢から新しいスポーツを始めると、自分の身体の動きにもどかしさを感じる日々です。今回は、40代の一般男性が3年間本気でテニスと向き合って見えてきた『上達の真実』について、私の実体験を交えてシェアしたいと思います。
1. 若い方が圧倒的に有利。それでも40代から『スクール上級』は目指せる
まず大前提として、年齢が若い人の方がさまざまな点で有利であることは素直に認めざるを得ません。
テニスに限らず、習い事は何でも若いときに始める方が吸収が早いですし、何よりその競技に費やせる『絶対量』が多くなります。目指せる頂点のポテンシャルは、当然ながら若い頃からスタートした人の方が高くなります。大人が今からプロや全日本選手権を目指すのは、現実的に厳しいでしょう。
しかし、40代からスタートしたとしても、趣味として『スクールの上級レベル』になることは十分に可能だと確信しています。
ひとつの目安として『3000時間の法則』というものがあります。仮に1日3時間の練習を3年間毎日続ければ、約3000時間強になります。もちろん社会人に毎日の練習は酷ですが、要するにそれだけの圧倒的な『量』を投下すれば、大人からでも確かな結果が見えるということです。
ジュニアから始めている人が上手いのは、単に年齢が若いからだけでなく、幼い頃から膨大な時間をコートで過ごしてきたからです。もし、練習量を全くこなしていないジュニアがいれば、大人から始めた人とそこまで大きな差はつかないはずです。
2. サーブ10万球の軌跡:ぎこちないフォームは『年齢』のせいではなかった
その『量』の裏付けとして、私自身のサーブの経験をお話しします。 サーブは相手の影響を受けず、自分の練習量と自主練が直接ものをいうスキルです。
私はこれまで、テニスコートでだいたい10万球ほどのサーブを打ってきました。7万球くらいまではある程度カウントしていましたが、それ以降は大雑把な数字です。最初は私も、いわゆる羽子板サーブでダブルフォルトを連発し、自分の運動神経のなさを年齢のせいにして落ち込んでいました。
しかし、やはりサーブはやればやるほど良くなります。
最初の頃のぎこちない動きに比べ、今では明らかにフォームが改善されました。憧れだったトロフィーポーズを作れるようになり、元々は担ぎ上げ型のサーブだったのが、今では下からラケットを引くコンパクトなフォームも身につきました。精度はまだまだ発展途上ですが、ぐるっと回す従来のフォームと打ち分けることも可能です。
一番分かりやすい成果は、オムニコートで打ったサーブが、相手コートでバウンドした後にフェンスの壁までワンバンで届くようになったことです。
要するに、年齢のせいでぎこちないサーブしかできないのではなく、単に打った量が少ないからぎこちないのです。あと10万球練習すれば、サーブに関してはスクール上級者レベルに到達できるのではないかと密かに手応えを感じています。
ただ、年齢を重ねると体の柔軟性が落ち、長年のクセが治りにくいという側面があるのも事実です。60代、70代の羽子板サーブの方が、ここから真剣に取り組んでプロのようなしなやかなフォームを身につけられるかというと、正直少し疑問です。裏を返せば、これからテニスを習う大人にとって、元々持っている運動神経以上に、ストレッチなどで体の柔軟性を維持することが非常に重要だということです。
3. 体力不足は言い訳か?技術と日々の鍛錬でカバーできる現実
また、『体力』も年齢の言い訳にされがちですが、これについても少し違った見方をしています。
極端な例ですが、20代の体力バリバリの若者が、引退したロジャー・フェデラー氏に勝てるかといえば、ほぼ不可能です。つまり、テニスは体力が重要なスポーツですが、同時に『技術で相当カバーできる』ということです。
プロの世界を見渡しても、ノバク・ジョコビッチ選手が一回り下の体力最強の20代選手たちを打ち破っていますし、国内でも片山翔選手が10代、20代の若手にシングルスで堂々と勝利しています。
若い人の方が体力のポテンシャルが高いのは間違いありません。しかし、だからといって今30代、40代の人が20代に勝てない理由にはならないのです。テニスが純粋な体力ゲームであれば30代は20代に勝てませんが、現実は違います。体力づくりも結局は、年齢よりも日々のトレーニング次第だと私は考えています。
4. 精神論では超えられない、大人が直面する4つの『リアルな壁』
ここまで『年齢より量』と前向きなことを書いてきましたが、大人がジュニアや若い世代と張り合う上で、決定的な違いや超えられない壁があることも痛感しています。
・翌日の疲れ
若い頃とは違い、サプリメントを飲んだり入念なケアをしたりしないと、確実に翌日の仕事に響きます。私自身、ケアを怠って週末に無理をし、月曜日に全身筋肉痛でロボットのような歩き方になった失敗が何度もあります。
・1日あたりの練習量の確保
先ほど3000時間の話をしましたが、学生のように毎日3時間から6時間もテニスをする時間は、社会人にはなかなか確保できません。ここでどうしても差がつきます。
・体の故障リスク
無理をしたときのケガのリスクは、若い頃に比べて格段に高いです。手首や膝への負担は、大人のテニスにおいて常に向き合わなければならない爆弾です。
・ゲームの絶対量
大人は壁打ちや球出しの自主練は工夫次第でたくさんできますが、実戦(試合)の機会は限られます。小さい頃から試合というプレッシャーの中で経験を積んでいるジュニアとは、この実戦勘で大きな差が生まれます。
5. まとめ:目標を決めて量をやるだけ
40代からテニスを始めて3年。私がたどり着いた結論は、『若い頃のようにはいかない現実を受け入れた上で、出来ない理由を年齢のせいにしない』ということです。
到達できる頂点の高さは若者には敵わないかもしれませんが、そもそもみんなが業界の頂点を目指しているわけではありません。私の場合はスクール上級クラスに入れたらいいなーという感じです。ジュニアの子どもたちのみんながプロを目指したり、インターハイ優勝を目指しているわけでもないのと一緒です。
翌日の疲れも抜けにくいです。しかし、10万球のサーブ練習が証明してくれたように、圧倒的な『量』をこなせば、大人の身体でも確実に技術は向上します。体力的な不利も、技術の底上げと日々の努力でカバーできます。
時間がない、体力がない、もう歳だから。そう言い訳をする前に、まずはコートに立って1球でも多くボールを打つこと。それが、私たち大人のテニス上達の唯一の近道なのだと思います。まあ、そうするためにはお金がかかりますけどね苦笑。